第99回 研究会
日程:2024年7月27日(土)13:30~16:15(13:25~入室可能)
会場:Zoom
参加費:500円
プログラム
1.発表
- 中国人上級日本語学習者の D型(中国語独自義+日本語独自義)同形語における認知処理について
- 顧偉長(國學院大學特別研究員)
- 本研究では、上級学習者のD型同形語における誤用問題をより効率よく減らすため、対照情報の量や提示の仕方に焦点を当て、その改善を目指して調査を行う。対照情報の質に関して、本研究では上級学習者の特徴に基づき、対照情報をより適切かつ効果的に提供する手法を検討する。また、対照情報の量に関して、適切なバランスを見つけることが重要で、情報の過多または不足が学習者の認知処理を妨げる可能性があるため、本研究では最適な情報量を見極め、それに基づいて対照情報の提示方法の改善を試みる。
- 中国ドラマにおける中国語に特有の言葉の翻訳-複写ストラテジーの使用を通して-
- 王思嬈(武蔵野大学言語文化研究科大学院生)
- 中国語と日本語は漢字を使用する言語であり、多くの共通点があります。ある中国語の単語は、元々日本語にない言葉であっても、直接に繁体字で表記することで日本人に理解してもらえる場合があります。字幕翻訳では、このような対応方法を「複写」と呼びます。本研究は、中国ドラマの中国語セリフと日本語字幕を対象に、複写ストラテジーを用いた単語を抽出し、その特徴を究明することを目的とします。これにより、日本語学習者に中国語に特有の言葉の伝え方について助言を行います。
- 非漢字系日本語学習者の漢字学習に対する動機づけの変化-来日直後から初級終了レベルまでの縦断的インタビューから-
- 伊瀬知史子(東京外国語大学大学院博士後期課程1年/イーストウエスト日本語学校)
- 非漢字系日本語学習者に対し、より効果的な漢字指導をするために、「学習者がどのように漢字学習を意味づけているのか」を理解することは重要である。この意味づけを動機づけの観点から明らかにする。来日後、初級から学習を始めた非漢字系の学習者1名に縦断的インタビューを行い、SCAT(Steps for Coding and Theorization)を用いて分析した。学習者視点の声の分析により、漢字学習は日本語の“本当の意味”を理解するために必要だと考えられていることが分かった。さらに、漢字学習過程の動機づけの変化とその要因を記述的に明らかにした。
2.交流
自由におしゃべりしたいという声を受け,ブレイクアウトルームに分かれた交流の場を設けます。気軽におしゃべりする機会になればと思います。(時間の都合上,割愛されることもございます。あらかじめご了承ください。)
緊急事態が生じた場合について
何らかの問題が生じ,研究会を延期または中止とする場合は,研究会サイトにお知らせを掲示し,さらに参加申込者全員にメールにてお知らせいたします。
会誌購入のお願い
- 会誌は当サイトの「研究会誌」にて、ご確認・お買い求めいただけます。会誌購入の代金は,研究会の運営費として運用してまいります。
その他
- 次回(2024年11月9日)は第100回記念イベントの予定!みなさんで漢字指導について考える機会になればと思っています。ご予定ください!!
- 第101回(2025年2月)の発表者を募集しております。第101回(2月)の発表はポスター発表(対面)のみです。詳しくは後日会員用MLまたは本ホームページでお知らせします。通常の手続きについては「発表者募集」をご確認ください。
- 第99回研究会に関するお問い合わせは<sanka@jsl-kanji.com>までお願いいたします。